「Blitzortung.org」は、TOA方式 (Time of Arrival) および TOGA方式 (Time of Group Arrival) に基づいて、VLFの受信機で大気中の落雷位置を特定するためのネットワークです。私たちは、中央処理サーバーにデータを送信する「ステーション」を運用する人々のコミュニティで、雷放電を視覚化するためのアルゴリズムを開発し、実装するプログラマ、システムの維持のため何らかの方法で支援する人々で構成されています。メンバーシップに制限はありません。ネットワークを運用するすべての人はボランティアです。参加費用や条件、契約はありません。受信機が長い間データのプーリングを停止すると、サーバーはその受信機の運用者に対する生データの提供を停止します。
ネットワークは、500以上の受信機と、いくつかの中央処理サーバーで構成されています。私たちが観測する信号源は、一般に雷放電です。VLF (Very Low Frequency) は、3-30 kHz の周波数帯を指します。受信機は、約1ms の各信号を500kHz以上のサンプリングレートで記録します。GPS受信機の助けを借りて、信号の到達時間はマイクロ秒の精度で記録され、インターネットを介して私たちの中央処理サーバーに送信されます。データには、受信した雷放電 sferic の到達時刻と受信機の正確な位置が含まれます。複数のステーションからこのデータを得ることで、雷放電の正確な位置が計算されます。
このプロジェクトの目的は、多数のステーションを備えた低予算の落雷位置標定ネットワークを構築することです。ハードウェアの価格は現在300ユーロ未満です。サーバーにデータを送信するすべてのユーザーは、未加工の形式で自由に落雷位置のデータにアクセスできます。ステーションの運用者は、生データをすべての非商用目的のために使用することができます。また、雷放電の位置はリアルタイムで私たちのウェブサイト上に表示されます。平均遅延時間は、サーバーの負荷に応じて、3-20秒です。
私たちは、信号を記録するために特別な観測機を開発しました。これは、いくつかのアンプと、データの処理および中央処理サーバーへの送信を行うためのデジタル部品で構成されています。潜在的な参加者のコストを可能な限り低く抑えるため、参加者は、観測機の組み立てに必要となる電子部品を可能な限り地元のプロバイダから入手しようとするべきです。
コミュニティとしての「Blitzortung.org」は、主に気象学、電気工学、コンピュータ工学に興味を持つ個人を対象としています。観測機の組み立てと運用にあたり、使われている受信技術の基本的な理解が必要です。
「System Green」と呼ばれる観測装置は、時刻の測定に基づく、私たちの最初のハードウェアです。初めは、信号がしきい値を超えた時点の時刻のみが計算されました。コントローラでは、1ms の精度を有するタイムスタンプからカウンタ値を生成します。タイムスタンプは、パーソナルコンピュータ上で継続的に実行されるトラッカープログラムによって、私たちのサーバーに送信されました。つまり、パーソナルコンピュータを継続的に動作させていました。開発の最終段階において、システムにはA/Dコンバータが搭載されました。その後、トラッカープログラムは128または256 サンプルをサーバーに送信しました。困ったことに、しきい値を超えた信号はすべて記録していました。このシステムの最新のバージョン「PCB 6.7 / PCB 6.8」には、USBのインターフェイスが搭載されました。2015年の終わり頃には、アクティブなステーションの約30%がSystem Greenでした。